粉砂糖の日

どこにでもいるような女

花 / ナイトメア・アリーの感想すこし

何かが朽ちていくのを見るとなんともいえない気持ちになる。

お花を飾っていたけど、お水を変えてあげても徐々に葉の、花弁の、なんかこう全体的な覇気がなくなっていく。飾った時はあんなに元気で何よりも美しかった花が何よりも早く死に近づくのがとてもさみしい。だからといってはなんだけどドライフラワーはいい。「枯れた」状態で補完されて許されている。咲いた頃の柔らかさは失っても、腐ってはない。私にとって少なくともドライフラワーは一種のさみしさから逃れる救済だ。

でも、まだ枯れる前の茎を触った時のひんやりして中に水が流れているのを感じた時、生花でしか分からない気持ちの寄り添いがそこにある気がする。

(↓↓微、ネタバレかも↓↓)

ギレルモ・デル・トロ監督の「ナイトメア・アリー」を見に行った。原作はアメリカのノワール小説。念願、上映終了してなくて本当によかった。デル・トロ監督の作品は「シェイプオブウォーター」のダークなおとぎ話に虜になった。そしてなんと言っても「キャロル」のケイト・ブランシェットルーニー・マーラが再共演したことが私にとって1番嬉しくて。二人が交わるシーンは少なかったけど、本当に美しかった。

音と映像で最初から最後まで魅了された。爪、血、服、瞳。どれも印象的で伏線がすべて自分の中で回収できてたかは分からないけど想像しながら見るのが楽しかった。

「悪夢」を映像化した心地よく美しい地獄を体験出来る映画、もう1回見たい。