粉砂糖の日

どこにでもいるような女

ちいさな1LDKについての雑記

東京に行ってきた。

すこしずつ、心と身体をあたらしい場所に移す準備。来年私は上京する。

朝8時ごろに羽田に到着。パウダールームで髪を結んで豆餅くんのいる家へ向かう。

この家は2人で住む家で、私が来るまでは豆餅くんが住んでくれることになっている。

一度下見で家の前まで行っていたので、試しに地図を見ずに記憶だけで歩いてみようと挑戦。なんの心配もなく、何個かの目印を頼りにすぐ家にたどり着いた。人の名前とか、具体的な数字(郵便番号)とか覚えるのは苦手だけど、道はすぐに覚えられる。

入り口は思ったより狭かった。私が使って欲しいと思って渡していたゴブラン織の玄関マットは、大きすぎて敷けなかったらしい。レンジを置いたりするラックの下に置いてあった。

でも、日当たりのいい小さな1LDKは、私たちにぴったりだと思った。2人の手に負えるくらいのサイズ感というか、キッチンの引き出しも、お風呂のサイズも、思った8割くらいのサイズ感なのが、かえって好きになる理由になった。

清潔で、便利グッズを生かしたお部屋は、豆餅くんの丁寧な性格を表していて、彼そのもののようで安心した。綺麗好きなところは彼の良さでしかない。なので私の雑な生活が家に支障を与えないようにしないとって思った。

まだ朝で、お互い起きてから何も食べていなかったので、床に置かれた50インチのテレビをつけ、ご飯と明太子を食べた。

下の階からやわらかいピアノの音が聞こえた。幸せだと思った。