粉砂糖の日

どこにでもいるような女

時々、身体中が棘だらけになるくらい、感覚が鋭利になる事がある。

 

早朝の光に照らされる電車で、最後尾の車両から先頭車両に向かって、全力で叫びながら走って、1番前まで来たら乱れた呼吸と髪で大笑いする。

のを想像して午前8時の電車に乗る。

自分は優しいだけじゃないってことをうまく伝えられないから、時々あえて人に狂気じみたことや冷たい態度を取ってまうことがある。たぶん電車で狂えないかわりに自分の棘を小出しにしてる。後でものすごい罪悪感に襲われるけど、その罪悪感を相手に伝えることはほぼない。相手にはただの冷たい人だと思われて(もしくはそれにも気づかれないまま)終わる。それで平静を保っている。

悪いことをしたり、怠惰な一日を過ごしていても、「明日はいい日になりますように、頑張れますように」って思うのはひどいことで、私はずっとその状態を保ってしまっている。