粉砂糖の日

どこにでもいるような女

アヴちゃんのこと

私、女王蜂というバンドの大ファンでして。

 

好きになったのは15歳くらいだったと思います。「スリラ」という曲で好きになりました。

 

もう、すべてが衝撃だったんです。

アヴちゃんの高音と低音の人格が変わるような歌い方、こんなに「覚醒」って言葉が似合う人はいないと思いました。性別、年齢、国籍、自分のプロフィールを明かさないミステリアスな感じにも惹かれました。

 

先日、アヴちゃんがテレビに出ました。そもそも、女王蜂自体テレビにほぼ出ないグループで久しぶりにテレビでアヴちゃんが見れると思った時は興奮しました。

 

私が見ているアヴちゃんは、歌唱中の覚醒していた状態なので久しぶりに普通に喋ってるところを見ました。なんせ最近はライブもほぼMC無しなのです。でも彼女、話している時はすごく奥ゆかしいというか、やさしくて上品なのです。

 

彼女の略歴の画面になった時に「学生時代 Perfumeに憧れる バイトに明け暮れる日々」と書いてありました。たった3行しかない、たった3行の学生時代のところにバイトという3文字があったことに妙に生々しさを感じてしまいました。

 

人間臭さのある曲もたくさんある女王蜂だけど、どこかアヴちゃんは幻獣のように神秘的な存在に見えてたから。

 

収録中、アヴちゃんは慣れないからか緊張しているのか、それとも何か別の理由があるのか、あまり笑顔を見せませんでした。むしろ下を向いている時間が長いようにも思えました。

 

(あれ…アヴちゃん元気ないのかな…)と心配しながら見ていて、彼女がバイトに明け暮れていた時代があったということを知った時、一気に身近に感じました。テレビでどこか寂しげな顔をするのも含め。考えすぎかもしれないけど、アヴちゃんは神秘的な人でも幻獣でもなくて、1つの人生を生きている人間なんだって確信しました。

 

番組が終わったあと、すぐに女王蜂の「十」という曲を聴きました。女王蜂10周年の2019年に発売された「十」というアルバムに入ってる曲。公式に何かが語られたという痕跡はないけど、やっぱりどうしてもアヴちゃんが生きた人生を想像しながら聴いてしまう。(十は他の曲のアンサーソング的な言われ方をしてる考察ももあるけど、それはまた別の話ということで…)それでもれなく胸がきゅうっとなりました。

 

女王蜂というかアヴちゃんについて語ってしまったけれど、アヴちゃんという絶対的な存在があってこそ成り立つ女王蜂が好きだし、それをやさしく強く支える他のメンバーのことも大好き。これからも彼女達の人生を音で辿り続けたい。

 

余談

私今まで5.6回くらい女王蜂のライブには行ってるんだけど一度特別ファンでもない恋人を引き連れていった以外、一人で行ってるのです。色々理由はある。感想は自分の中だけで完結させておきたい、同じベクトルで好きな人がなかなかいないとか。同担拒否とかではないので、好きな人が現れたらはちゃめちゃに嬉しいけど、ライブって私にとってマジで神聖なイベントなので、魂の浄化は人と共有したくないというか。

余韻に浸れるのはやっぱひとり孤独に過ごすのがベストなのよね。これからも多分一人で行くと思います。