粉砂糖の日

どこにでもいるような女

エレベーターにて

先日三ノ宮へ行った。特に予定には無かったが、気晴らしにとなんとなく電車に乗った。

まだ少し気分は落ちていて、誰にも話しかけられたくなかったので、耳にヘッドホンで蓋をしてガン飛ばしながら歩く。

そういう日に限って、声をかけられる。

場所は狭いエレベーター。私とかっこよくビジネススーツを来た海外の方のふたりきりになってまった、何語か分からない鼻歌をご機嫌に口ずさんでいる男性だった。

日本語以外できない私は少し恐怖する。ましてや1人で知らない言語の鼻歌を歌ってる人なんて。異国の雑貨やカフェがとても好きなのに、知らない言語がくると恐怖するなんて矛盾している。もっとわたしは日本人以外に軽やかになるべきだ。こういう時、知らないことが多いと生きるのが大変だなと思う。怖くないことも怖いってなってしまうので。

階のボタン側についたわたしは「何階ですか?」と聞かざる得ない状況になった。すんなり日本語が通じたビジネススナイスガイは鼻歌をやめ、「4階です。元気ですか?今日は仕事?」と聞いてきたので、「元気です、仕事の休憩中です」と全部嘘の返答をしたら、「なんの仕事?」と返してきた。どうしよう、アルバイトしながら絵を描いてますなんて言ったら変に話が長引いてしまう、それは今きつい、と思ったのでとっさに発動した謎の茶目っ気で「秘密」って自分の口に人差し指を当てて言った。彼は少し苦笑いした。

4階に着き、彼は私に先に出るよう手でジェスチャーした。サイゼリア神戸国際会館前店、入る目的地まで結局一緒だった。最後に「良い一日を」くらい気の利いたことを言えればよかった。彼は私を怖がらせる為でもナンパでもなく、むしろ優しさで挨拶をしてくれただけだったはずだ。

苦い顔しながら食べたハンバーグのソースが口内炎にひどくしみた。

デジタルドッグ

私は寝る時にテレビをつける。

少しだけ安心するのだ。

テレビは収録された像に過ぎず、そこに実態があるわけではない。私の日々の不安なぞ何も知らないテレビ越しの人たちは、話し、演じ、テレビの光として生きている。

その、私とは無関係なのがとてもいい。

遠くで誰かが誰かに見せるために撮った映像は、私の不安を打ち消してくれる効果がある。ちなみに、経験上テレビを消して寝ると悪夢をみる確率が上がる。

あんまり大きくしすぎるとかえって聞いてしまって寝れないので、いつも音量を「4」くらいにして、布団に入る。

しかし、最近テレビを流していると恐怖感に襲われたり、トラウマがフラッシュバックすることがあった。戦争では日に日に死者が増え、某芸能事務所はめちゃくちゃになり、歌舞伎町の殺人未遂事件は3年くらい前似た事件があったときに実際の映像を電車で見て貧血で倒れたのを思い出してしまう。バラエティ番組の大きな笑い声も気分が落ちてる時にみると頭をつんざく奇声にしか聞こえない。

みたいなことが多くなってしまって、でもつけてる。なんならテレビつけながら、ラジオ聴いて雑誌を読みながらスマホのTLを追っている。

中学生からインターネット漬けだった成果としか言えない。ありがとう初音ミク

情報社会の絶対的犬なので、やめたくてもやめられんところがあるけれど、いつか全てに疲れた日が来た時わたしはどうなるんだろうと時々思う。

その時は土でも耕して自然とともに生きます。

茨 / 8番線

 

久しぶりにゆっくり起きた。

梅田である用事は夜からだったので、起床してからしばらくは家で過ごした。

敷布団カバーやカーペットを洗濯しながら「MIU404」の2話だけ見て、「ゆとりですがなにか」の特番を見た。ためていた家事ができると心がスッキリする。ベランダにカーペットを干し、場所が足りないので部屋の中でカバーを干す。

それから昼ごはんを食べたりYouTubeを見たりしていたら、外がさっきより灰色になっていることに気づく。(もしや!!)となり外をみたら小雨が音も立てずに降っていた。2時間ほど前から干していたカーペットは、半分渇いていたのに水の跡がポツポツついていた。慌てて中に入れた。洗濯し直すべきだったかもしれないけど、びしょびしょってほどでもないのでそのまま部屋の中で干してしまった。私はいつもよくないと思うことも、もういいかなぁという怠惰な気持ちが圧倒的に勝ってしまう。

 

そうこうしていたら、あっという間に家を出る時間になった。

軽い結膜炎になってしまったのでアイメイクはなし。メガネで、肌に下地とリップだけ塗って、髪を後ろでシニオンにして、ベルベットのリボンをつける。服はピンクのブラウスと、ブラックのタイトスカート。昨日買ったフライングタイガーのチェックトートにあれこれ詰め込み、地元で買ったクマのコックさんのキーホルダーをつける。黒のタイトスカートにクマのキーホルダーとか、フリルのブラウスとか、シックなテイストにキュートな要素を少し入れる服装が私はずっと好きだ。そして、自分が唯一持ってる10センチ以上ヒールがある厚底を履く。これを履くと実際身長がすごく伸びるし、なんだか気持ちも強気になれるので気に入っている。

そこそこの外に出る格好をして、梅田に向かう。

丸善ジュンク堂に寄って、パースの本、雑誌、つまみ食いするように見漁る。なんとなく芸術コーナーあたりをうろついてたら、友人から教えてもらったイラストレーター、杉浦さやかさんのパネル展がたまたまやっていたのでゆっくりそれもみる。新刊発売記念で控えめな特設コーナーもできていた。杉浦さやかさんの絵は本当に可愛い。アナログで描かれた文字も小物も、全部丁寧にキュートに描かれている。心がほかほかした。

 

最後にお出かけメイン目的のイタズラストアのライブに行った。

出演したMVの曲「8番線」を初めて生で聴いた。ゆったりとしたかわいさに癒され、歌詞と自分が重なる部分もたくさんあって、少し泣きそうになった。このままでいいよって背中を撫でてくれるような大切な曲。ライブ後はサイン会もあって、メンバーの皆さんとお話することができた。久しぶりに緊張しまくって目線をどこにやっていいかわからず、ずっと変な顔しちゃってたと思う。イラスト描いてるんですって言ったら、「茨の道だけどお互い頑張ろうね」ってボーカルのAKANITAさんが励ましてくれた。

そうか、気づいてなかったけど私はいつの間にか茨の道に足を踏み込んでいたのか。まだ始まったばかりであまり考えたことがなかった。基本自分に合う、無理しない方法で頑張るのが私のスタンスで、それは他の人から見れば、「怠けてる」とか、「なんもしてない」とか思われることはあるけれど、私はそれなりに、穏やかな精神を守りながら棘を素手でかき分けて進んでいるのかもしれない。そう信じたい。

 

21時頃梅田を出て普通列車に揺られゆっくり帰った。

MVでつけてたヘッドホンで「8番線」を聴きながら。

 

୨୧

 

・・・・n ' s  m u s i c・・・・no.29

 

♪ 8番線 / ITAZURA STORE

 

不完全でも構わないはみ出したとしても

向き合ってみたいんだもう一度

 


www.youtube.com

 

夜 / It's Only a Paper Moon 

朝、すっきり起きれることの方が少ない。

私は小さい頃からよく夢を見る、見ない日の方が少ない。

夜は三回くらいは起きる。みんなそうだと思っていたし、それが普通だと思っていた。彼氏に「夜一回でも目覚めてしまうとと朝が辛い」と聞いた時には驚いた。

 

小学生くらいの頃は、寝る時の部屋の壁の軋む音や、ビニール袋が擦れる音に敏感で、布団に入ってから数時間しないと眠れなかった。「どうせ気持ちよく寝れないことの方が多いから夜が憂鬱」と思っていた。中学生になったあったりからなんでかそれなりに普通に寝付けるようになった。今思えば普通に眠れてたのではなく、部活や人間関係に疲弊していて死んだように眠っていたように思う。眠れないよりはマシだけど。

しかし、間も無くして高校生になると初めて金縛りにあった。初めての金縛りは夢と現がごっちゃになり女の人が上から乗っかってきて、息が苦しく、怖かった。そのあたりから週に一、二回金縛りになる夜が続いた。慣れてきたら「ああまたか」程度で怖くはなくなるが、今思えばおかしい。

夜の金縛りが続く中、いつの間にか精神もやられていて、昼は過敏性腸症候群でまともに授業が受けられなくなった。別段、眠れないことがそれに直結したわけではなく、自分の勉強していたことや部活の意味に疑問をいだきはじめたのが原因だったとは思うのだけど。通っていた高専*1を3年生が終わると同時に自主退学して、県外の芸術系の短大に通いはじめた。

短大生のあたりから今にかけて、眠りは比較的安定してきたように思う。夜目覚めてしまう回数は前より少なくなった。金縛りはたまーーにくらいになり、精神の揺れうごきで少々不安定になることはあっても、毎日全然寝付けないということは無くなった。でも、朝すっきり目覚める事は年に数回くらい。だいたい目覚めても疲れてる。

時々、睡眠の不十分さが自分の絵に滲み出ているんじゃないかと思う。満足に眠れた経験が少ないから自然に現れてしまう色や線があるような気がする。私の場合、ずっと覇気のない弱い曲線はなんかそれが一因な気もする。真偽は不確かだけど。なんか、よくない気がするけど。いきいきと描いてる自分を想像すると気持ち悪い。つかの間の達成感はあっても、基本的に私はずっと悲しいまま描いている。

 

自分がずっと慢性的に鬱っぽいのは、微妙に眠れていないのに加えて、元気になると今よりさらに描けなくなるんじゃないかという恐怖がどこかにあるからなんだと思う。

 

୨୧

 

・・・・n ' s  m u s i c・・・・no.28

 

♪ It's Only a Paper Moon 

 

エラ・フィッツジェラルド

 

いろんな人の演奏と、歌唱があるジャズは、私にとっては新しく感じる。

ジャズ詳しくなりたい。

 


www.youtube.com

*1:5年一貫の技術教育を行う実践的技術者養成機関として、1961年6月に学校教育法の一部改正により創設された教育機関。ざっくり言うと高校3年間に+短大2年がくっついている。あまりやめていく人はいない。

やや痛む瞼

朝、いつもより30分早く起きた。

夢で、本屋で雑誌を所定の場所に戻しおわった、というところでふっと目が覚めた。

カーテンを20センチほど開けて、部屋に光を入れる。ちゃぶ台に鎮座していたクマのぬいぐるみが少し眩しそうだった。

一昨日くらいから左目が瞬きすると痛く、よって抗菌の目薬をさしているのでコンタクトも化粧もしなくていい。目は昨日より痛みは引いたけど、ぷくっと少し腫れていた。毛穴を隠す程度に軽く肌に自分の色より明るいファンデーションを押し込む。

まだ半袖を着てるけど、ほんとに過ごしやすくなった。自転車で風を切ると全能感に包まれた。年に数回しか訪れないこの世の中と一体になれそうな感覚。

最高があれば、次くるのは最悪で、おそらく数日後には私は気持ちがすごく落ちていることは今までの経験上予想できる。けど、体が全てを受容するような感覚をできるだけ吸収しておく。

あまりにも気持ち良かったのでモーニングに喫茶店に入ってしまった。気分が良かったら外食。落ち込んでいたら元気を出すために外食。私はお金がないのにこうやって外食をパワーにする。いつまで経っても学習しない馬鹿である。早く自分で作ったほうが安く、美味しくできることを体に叩き込みたい。

低空飛行

今日は飛行機が低い空を飛んでいた。

上り坂を、自転車をおしながら空をみる。私のは電動自転車ではない上に私にも脚力がないから漕ぎきれない坂道が多い。

飛行機はいつもは見えないお腹の細部まで見えて、ゴォーと音を立ててあっという間に遠くへ行ってしまった。今日は風があって晴れているのに涼しい。飛行機を遠くに行くのを見送った後、少し周りの空気や緑にいつもより目が敏感になった。夏のような猛威を奮うような圧倒的な緑ではなく、涼しくなるにつれてそよそよと優しく揺れる木々の方が私は好きだ。むわっとしない空気もいい匂いがして、セミもいなくなったから音も静かで、私は心地よくなった。これが自分に馴染む季節だ。

それと同時に少し死にたくなった。実際死なないし、なんでかはわからないけど、死ぬならこんな季節のこんな天気の日がいいと思った。

心地よさと不穏さが同時に心にくると、変な気持ちになる。心が一気にざわざわして、かと思えば幸福感に満たされて、を体に交互に高速で駆け巡る。

もう、いっそ大雨でも降ってくれないか。

 

あたりさわりない話 / 通販open

今日は8:30~17:00までバイト。

涼しくなってきたのでヘッドホンをつけられるようになった。ので、いつもは雨の時以外は自転車で通勤しているけど、ヘッドホンを使いかったので倉橋ヨエコを聴きながら電車で通勤。しっかり耳がホールドされるし、音も迫力があるし、やっぱイヤホンよりヘッドホンが好き。

今の職場になってから服も髪色も自由だけど、フォーマルな服を着る頻度が増えたのもあってハイトーンの髪色をやめた。明るい髪色でフォーマルな格好をしているとややチグハグ感があって落ち着かない。ブリーチでキシキシになって、おまけに強いくせっ毛を持っているので手に負えなくなったのと、なんとなくナチュラルな髪を取り戻したかった。目指せふわふわロングヘアー。ふわふわヘアーで黒のタートルネックとか着たい。そのふわふわでヘッドホンつけても可愛いかも。

なるべくぼけっとしながら出勤。心をうまく保ちながら働くコツはいかにぼけーーーっとするかにかかっている。自分がなるべく自然にボケっとできる場所で働くことが私の生存戦略。私の場合の話です。大人たちに相槌を打って(人の普段聞けないプライベートな話は楽しい)、お客様の対応をして、無事バイト終了。今日は結構うまくぼけっとできたと思う。100点。

 

帰り道で足りなかった梱包資材を買う。イラストの通販用。

今日から通販も始まった。手描きの一点ものの多いささやかなショップだけど、よければのぞいて見てね。

 

♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱

n.milk通販オープンのお知らせ

ちいさい原画、本、ポストカード、シール、キャミソールなど売っています。

期間 9/23 22:00 〜 9/30 22:00

場所 「milkhall」(n.milkのminneでのショップ名です)