粉砂糖の日

どこにでもいるような女

夜 / It's Only a Paper Moon 

朝、すっきり起きれることの方が少ない。

私は小さい頃からよく夢を見る、見ない日の方が少ない。

夜は三回くらいは起きる。みんなそうだと思っていたし、それが普通だと思っていた。彼氏に「夜一回でも目覚めてしまうとと朝が辛い」と聞いた時には驚いた。

 

小学生くらいの頃は、寝る時の部屋の壁の軋む音や、ビニール袋が擦れる音に敏感で、布団に入ってから数時間しないと眠れなかった。「どうせ気持ちよく寝れないことの方が多いから夜が憂鬱」と思っていた。中学生になったあったりからなんでかそれなりに普通に寝付けるようになった。今思えば普通に眠れてたのではなく、部活や人間関係に疲弊していて死んだように眠っていたように思う。眠れないよりはマシだけど。

しかし、間も無くして高校生になると初めて金縛りにあった。初めての金縛りは夢と現がごっちゃになり女の人が上から乗っかってきて、息が苦しく、怖かった。そのあたりから週に一、二回金縛りになる夜が続いた。慣れてきたら「ああまたか」程度で怖くはなくなるが、今思えばおかしい。

夜の金縛りが続く中、いつの間にか精神もやられていて、昼は過敏性腸症候群でまともに授業が受けられなくなった。別段、眠れないことがそれに直結したわけではなく、自分の勉強していたことや部活の意味に疑問をいだきはじめたのが原因だったとは思うのだけど。通っていた高専*1を3年生が終わると同時に自主退学して、県外の芸術系の短大に通いはじめた。

短大生のあたりから今にかけて、眠りは比較的安定してきたように思う。夜目覚めてしまう回数は前より少なくなった。金縛りはたまーーにくらいになり、精神の揺れうごきで少々不安定になることはあっても、毎日全然寝付けないということは無くなった。でも、朝すっきり目覚める事は年に数回くらい。だいたい目覚めても疲れてる。

時々、睡眠の不十分さが自分の絵に滲み出ているんじゃないかと思う。満足に眠れた経験が少ないから自然に現れてしまう色や線があるような気がする。私の場合、ずっと覇気のない弱い曲線はなんかそれが一因な気もする。真偽は不確かだけど。なんか、よくない気がするけど。いきいきと描いてる自分を想像すると気持ち悪い。つかの間の達成感はあっても、基本的に私はずっと悲しいまま描いている。

 

自分がずっと慢性的に鬱っぽいのは、微妙に眠れていないのに加えて、元気になると今よりさらに描けなくなるんじゃないかという恐怖がどこかにあるからなんだと思う。

 

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・・・・n ' s  m u s i c・・・・no.28

 

♪ It's Only a Paper Moon 

 

エラ・フィッツジェラルド

 

いろんな人の演奏と、歌唱があるジャズは、私にとっては新しく感じる。

ジャズ詳しくなりたい。

 


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*1:5年一貫の技術教育を行う実践的技術者養成機関として、1961年6月に学校教育法の一部改正により創設された教育機関。ざっくり言うと高校3年間に+短大2年がくっついている。あまりやめていく人はいない。